占術・三元派北斗流推命術の継承者として、世の中で見聞きし出会った事を、日々綴って参ります。


by 魚のおじさん
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カテゴリ:料理のレシピ( 3 )

ホットプレートで餡子


 先週の月曜日の朝、市場への仕入れから帰って、魚や食材の仕込みを済ませて、休憩室でテレビを観ながら、若いのと朝食を食べて居りましたら、NHKの「あさイチ」と言う番組で、『ホットプレート活用術』と称して、ホットプレートを使った、様々な調理方法や料理のレシピを紹介しておりました。

  私も、自宅などで、ホットプレートを、よく使いますので、興味を持って観ておりましたら、

 「ほいじゃが、先生みたいに、ホットプレートと土鍋を使ぉて、餡子を炊く人は居らんでしょうねぇ。」と、若いのが言いました。

 「いやぁぁ、そがいな事ぁ無かろぉが。出んだけで、えっと居ってじゃろぉと思うでぇ。」と、言いながらテレビを観て居りましたが、様々な活用方や、色々な料理が作られて居りましたが、ホットプレートを、ガスコンロや電磁調理器の代わりとして、土鍋を乗せて使うケースは在りませんでした。

 昨年、お盆に、京都へ行った時、義父母の家が、リフォームをして、台所もオール電化にされており、電磁調理器を使って、色々と腕を振るわせて頂いたのですが、とても気に入りましたので、広島に帰ってから、早速、小型の電磁調理器を買い求めました。

 しかし、昭和なアナログおじさんとは、情けないモノで、一番の目的は、土鍋で餡子を炊く事だったのですが、私が、学生の頃から使っている土鍋が使えない事を、餡子を炊き始めてから気が付きました。・・・炊き始めたと言いましたが、電源を入れても温度が上らないので、操作の仕方が違うのかと思って説明書を読んで気付いたのですが・・・。

 私の住んで居るマンションの流し台は小さく5年前に引っ越して来た時に持って来た、業務用のガスコンロが治まらなかった為に、それ以来、私の部屋には、ガスコンロが在りません。

 部屋で自炊をする事は、滅多に在りませんし、そこそこの料理なら、カセットコンロ・ホットプレート・電磁調理器・オーブンレンジが在れば十分です。


 電磁調理器が使えないと分かって、カセットコンロを出して土鍋を火にかけましたが、5分もしない内にガスが切れて仕舞い、予備のガスも在りません。

 鼻っから、火にかけなければ良かったのですが、一旦、炊きかけて止めて仕舞うと、変な仕上がりに成りそうなので、困って仕舞いました。

 その時、思い付いたのが、テフロン加工が剥げて、使えなく成って、捨てる為に保管して居たホットプレートの存在でした。


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 上の写真が其れですが、此れにアルミ箔を敷いて土鍋を乗せて使ってみると、案外好い、と言うよりも、土鍋で餡子を炊く為に特化して作られた様な機能です。

 温度調節が自在に出来ますし、ガスコンロですと、中心部からしか加熱出来ませんが、全体から加熱し、大量の遠赤外線を発生します。

 餡子を炊くのには、鉄鍋で、楢の木の炭火を使って炊くのが最良とされますが、此れに近い感じで、炭火は、火の調節が難しく熟練を要しますが、此れだと焦げ付かせて仕舞うリスクも低く、指先で出来て空気も汚れず、餡子を炊くなら此れに勝る物は無いと感じて居ます。

 電気代が気に成る処では在りますが、番組に依ると、強火で1時間40円程度だそうで、餡子を炊く場合は、最初の30分ほど強火にするだけで、後は弱火で炊きますので、意外と安上がりなので驚きました。


 今月一杯で、今、料理請負人として働いて居ります、割烹料理店の仕事を一旦終了し、4月から、市内の料亭と結婚式場から依頼された仕事を掛け持ちで行いますので、今月に入ってからは、若いのに、修業試験を兼ねて、色々な料理を自力で作らせて居ります。

 それで、先週の土曜日に、若いのを、指導&監視しながら、餡子を炊かせましたので、この機会に、写真を交えながら、レシピを紹介致します。


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 いつも小豆を仕入れている、小田垣商店から同封されてくる、「丹波大納言の煮方」の書かれた紙の写真です。

 皆さんは、此方を参考にされた方が無難かと思います。


 
餡子の炊き方・・・私流

・・・材料・・・
 ☆小豆・・・300g ( 写真は1kgです )

 ☆砂糖・・・300g ( 写真は1kgです )
 ☆塩・・・・3g
 ☆水・・・・適量

・・・道具・・・

 ☆土鍋 又は、焦げ付かない加工のフライパン(蓋の出来るモノ)
 ☆捨てても惜しく無いホットプレート
  無ければ、電磁調理器かガスコンロ
 ☆木べら 又は 木製のシャモジ
 ☆灰汁を取る道具
 ☆餡子を入れる容器
 ☆アルミ箔

 此処からは、写真を掲載しながら、手順に従って私流の作り方を紹介して行きます。


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 私が使っている小豆

 私は、餡子に使う小豆は、丹波篠山産の大納言と言う品種の小豆を使います。

 「職人の拘り」と言う訳では無く、私が学生時代に、和菓子作りの手解きを受けた、「ちきりや」の親父さんが、此れを使って居たからで、それに習っただけですが、後に、色々な産地の小豆を試してみましたが、此れが一番しっくりきます。


 小豆に限らず、黒豆なども、小田垣商店を通して仕入れて居りますが、とても信頼できる業者さんです。

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 小豆は、笊などに取って、念の為に、ゴミなどを取り除きますが、小田垣商店さんから仕入れた小豆で、その様な物が入って居た事は有りませんが、気持ち安めに洗い流す感じです。

 小豆を研ぐ」と言いますが、金笊を使わず、プラスチック製の笊を使うのは、過度に小豆の表面を傷付けない為と、小豆の表皮に多く含まれる香り成分を逃さない為です。


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 ボールに水を張って一晩寝かせます。( 私は、土鍋に直接入れて寝かせます。夏場はラップを掛けて、冷蔵庫で寝かせてください。小豆が水を吸う事を考慮して、少し多めに入れてください。)


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 一晩寝かせると、水を吸って、小豆が膨らみます。


 此れを、アルミ箔を敷いたホットプレートの上に置いて、強火 ( ガスレンジの場合は中火 ) で加熱していきます。

 煮立ったら、200cc程度のビックリ水を入れて、小豆を押し潰したり傷付けたりしない様に、木ベラの先を、常に鍋に付けて滑らせる様にしながら、上下が入れ替わる様に混ぜます。( 煮え具合に斑が出来ない様にする為で、炊きあがるまでは、常に此の混ぜ方をする様に注意してください。)


 鍋に蓋をして、一煮立ちするのを待ちます。


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 写真の様に、大量の灰汁が出ます。

 一般的なレシピでは、此の煮汁を全部、若しくは3分の2ほど捨てて仕舞いますが、私のレシピでは、煮汁を捨てません。

 此れは、私に餡子の炊き方を教えてくださった、広島市の猿猴橋の袂に在った ( 5年前に、駅前の再開発の為、惜しまれながら閉店されました ) 、名店・甘党の店たむら」の親父さんから習った遣り方で、私は、此方の方が美味しいと思います。

 最初の煮汁を捨てるのは、小豆特有の渋味 ( エグ味 ) を取り除く為で、私が最初に教えて戴いた、「ちきりや」の親父さんは、煮汁を3分の2程、捨てて居られましたが、「ちきりや」のレシピは、小田垣商店のモノと、ほぼ同じなので、関西では一般的な遣り方なのかも知れません。

 最初の煮汁には、小豆特有の渋味 ( エグ味 ) の他に、小豆独特の香りや風味も、より多く含まれて居ます。

 最初の煮汁を捨てて仕舞う事は、鰹や昆布の一番出汁を捨てて、出涸らしで炊き上げる様なモノで、小豆の持つ、本来の香りや風味を大きく損なって仕舞うのです。

 確かに、どんなに丁寧に灰汁を取り除いても、若干の渋味 ( エグ味 )が残って仕舞いますが、私は、それも小豆の味の一部だと考えて居ます。

 小豆の渋味 ( エグ味 ) を嫌う方は多いのです。

 しかし、残念ながら、私には、10人が10人とも、「美味しい」と唸らせる様な料理を作れる技量は在りません。

 自分が、美味しいと思う遣り方で、心を込めて作った料理を提供させて戴くしか在りませんし、10人の内、一人か二人の方が美味しいと喜んでくださり、また食べたいと感じて来店してくだされば、此れこそ料理人冥利に尽きると感じて居ります。
 
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 自分なりの方法で、灰汁を取り除いてください。

 煮汁が沢山在る、初めの内で無いと、灰汁を取り除き難いので、この時点で、どれだけ丁寧に灰汁を取り除けるかが、渋味 ( エグ味 ) を残さないポイントに成ります。

 私は、灰汁取り器や灰汁取りシートは使わず、表面張力によって木ベラに張り付いた灰汁を、布でふき取る方法で灰汁を取り除いています。

 此れは、「ちきりや」の親父さんから教わった遣り方で、この方法ですと、煮汁を捨てる事なく灰汁を取り除け、小豆を傷付けず、煮汁が少なく成っても灰汁を取り除く事が出来ます。

 但し、相当、手間を掛けて、こまめに遣る必要が在り、根気の要る作業ですから、食べて呉れる人の笑顔を思い浮かべながら、心を込めて遣り切ってください。


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 砂糖は、岡田製糖所阿波和三盆を使いますが、日頃から使って居られる砂糖でも美味しい餡子を作る事が出来ます。


 阿波和三盆糖は、熟練された職人達に依って、大変な手間と労力を掛けて作り出される名品で、此れを使った餡子や和菓子は、格段に違いますので、皆さんも、機会が在りましたら、是非、試してみてください。

 砂糖に限らず、小豆にしろ魚にしろ、技量の無さを、食材の良さで補って居る、チンケな料理人が私です。

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 灰汁を取り除きながら、煮え具合に斑が出来ない様にする為に、時々混ぜてください。

 小豆が、軽く指で撮んで潰れるくらいの固さに成ったら、砂糖を入れます。

 砂糖を一度に全部入れると、浸透圧の関係で、小豆の粒が割れて仕舞ったり、入れるタイミングが早すぎると、皺々に成ったりしますので、3分の1ずつを、3回くらいに分けて入れ、その都度、斑が出来ない様に、丁寧に混ぜてください。

 砂糖を入れてからは、焦げ付き易く成りますので、温度 ( ガスレンジならば極弱火 ) を落として、鍋の底の部分を、全面を万遍無く、擦るような感じで、丁寧に混ぜてください。

 窯で炊いた御飯の御焦げは美味しいですが、餡子は焦がすと、味も風味も台無しに成りますので、兎に角、コマメに行ってください。

 餡子を炊くのには、コマメさと根気が必要です。


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 写真の様に、木ベラで掬って垂れて落ち難く成って来たら、ほぼ出来上がりです。


 この段階で、塩を入れて、よく混ぜ合わせます。

 私の作る料理には、全て百姓庵天日塩を使いますが、チンケな料理人の妙な拘りだと笑ってください。

 餡子の中に、別の塩を使ったからと言って、その違いが分かる様な、鋭敏な味覚は持ち合わせて居りません。

 しかし、此の塩を、直に舐めれば、他の塩とは格段に美味しいのです。

 だから、微量でも、違いが出る筈だとの考えで、使って居ります。

 とは言え、海潮汁や焼き魚などに使った場合は、その違いを、顕著に感じ取る事が出来ます。

 レシピでは、3gとして在りますが、此れは、一般的な基準の量で、私は塩が少ない餡子が好みですので、私の場合は、1kgの小豆に対して、3g程の塩を入れます。

 塩が多い餡子は、良く言えば、『懐かしい婆ちゃんの味』で、悪く言うと、『田舎臭い味』に思えるのでした。・・・これは各々の好みに因ります。

 塩は、微量でも、味や風味に大きく影響しますので、必ず、正確に計量してから入れてください。

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 上の写真が出来上がりですが、土鍋の場合は、余熱で焦げ付いて仕舞う事があるので、粗熱が取れるまでは、暫く混ぜる必要が在ります。

 冷め切るまでは、布巾を掛けて冷まします。

 表面だけが固く成らない様に、時々、混ぜ合わせてください。

 冷め切ったら、準備した容器に納めてください。

 今回、炊き上げた餡子は、善哉を作る事に特化して炊き上げましたので、小豆の粒を、少し柔らか目の仕上がりにして居ります。

 300gの小豆を使うと、1kg程度の餡子が出来ます。


 土鍋を使って餡子を炊く遣り方は、「ちきりや」の親父さんから教わった方法です。

 学生時代に、友人の父親である親父さんに、和菓子作りの手解きを御願いした処、快く了解してくださり、時々習いに伺って居りました。

 「ちきりや」では、餡子を、楢の木で作った炭火を使い、大きな鉄鍋で炊いて居りました。
 しかし、この方法で上手く餡子を炊き上げるには、熟練された技と経験が必要で、極めて難しいモノでした。

 そこで、親父さんが、素人の私にも、失敗せずに容易に炊き上げる方法として、伝授してくださったのでした。

 餡子を思い通りに炊き上げるには、かなりの経験が必要です。

 此処に紹介した、私流の餡子の炊き方も、基本的なモノで在って、微妙な機微を伝える事は出来ません。

 そもそも、料理を作る時、私はレシピと言うモノを持ちません。

 長年の経験から掴んだ感覚から、『この食材の感じの、この量なら、この位の火加減で、この位のタイミングで、これ位の砂糖を入れて・・・。』と、言う風に、料理を作りますので、人に教えるのは極めて苦手として居ります。

 餡子を炊く場合、厳密に言うと、季節や天候や気温や湿度によって仕上がりに差が出ますので、同じ品質の餡子を作る為には、微妙な調整が必要です。
 また、同じ産地の同じ品種の小豆でも、品質や乾燥の具合が微妙に異なりますので、未だに自由自在に理想とする餡子を炊き上げる事に苦労して居ります。

 皆さんは、各々で、使う食材や調理器具も違いますし、だいたいにして、「 好みの味 」に個人差が在りますので、敢えて「レシピ」とせず、私流の餡子の炊き方として紹介させて頂きました。

 皆さんは、自分で何度か作ってみる中で、自分の好みの炊き方や、自分の好みの餡子を見付けてください。

 炊き上がった餡子は、熱の在る内は柔らかいのですが、冷えると固く成ります。

 餡子は、別の見方で言うと、小豆を材料としたジャムですから、冷えた状態を予測して炊き上げるには、或る程度の経験が必要ですし、固目の餡子を炊き上げ様とすると、焦げ付き易いのです。

 若し、出来上がった餡子が、柔らか過ぎて、お萩などを作るのに適さない場合は、清潔な晒などで、食パン状に平たい形にして包んで、冷蔵庫で寝かせると、程好い固さに成りますので、無理をし過ぎて焦がさない様になさってください。


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 出来上がった餡子は、3日ほど経つと、味が馴染んで美味しく成ります。

 一週間経つと更に美味しく成りますが、私は、大量に作らないので、それ以上の期間、置いた事が無いので解りませんが、きちんと密封して冷蔵庫に保管すれば、一か月以上でも大丈夫だと思うのですが、此れに関しては断言出来かねます。

 若し、長期間保存する場合、気掛かりでしたら、水を少し足して炊きかえてください。

 以前、「赤福」が、期限切れの商品を使い回して居た事が発覚して行政処分を受けた事が在りましたが、あそこまで遣ると、流石に同情の余地は在りませんが、売れ残った商品を、炊きかえたりして再利用する事は、昔から普通に行われて居る事で、品質の面でも、何ら問題は無いと考えて居ますし、炊きかえた餡子には、炊きかえた餡子なりの美味しさが在ります。

 出来上がった餡子は、お萩や善哉の他、羊羹を流したり、かき氷に乗せたり、アンパンを作ったり、様々な用途が在り、写真 ( トコモコ工房さんのブログから御借りしました ) の様に、トーストに乗せて食べても美味しいです。

 自分の好みの餡子が炊ける様になると、料理のレパートリーが、更に広がりますので、是非、試して戴きたいですし、娘さんが居られるなら、「お袋の味」として伝えてあげれば、大切な嫁入り道具の一つに成ると思います。


 今朝の事です。

 先週と同じ様に、市場への仕入れから帰って、魚や食材の仕込みを済ませて、休憩室でテレビを観ながら、若いのと朝食を食べて居る時に、この記事の下書きを若いのに見せましたら、

 「先生!、このレシピじゃと、余談やら薀蓄の方が多ぃいけぇ、クックパッドにゃぁ載せられんですねぇ。」と、言いましたので、「ほりゃぁそぉじゃのぉ!」と、二人で大笑いして居りました。・・・アジアの片隅より

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広島ブログ

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by asianokatasumiyor | 2015-03-09 13:24 | 料理のレシピ

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 早妻汁 ( さつまじる )



 2月3日の記事に、節分の日に、実家では、広島の漁師の郷土料理である、「早妻汁」を作っていたと掲載した処、数少ない、此のブログの一般読者の方から、「私も、よく作りますよ。」とか、「レシピを教えてください。」等のメッセージを戴きました。


 どうも、随分と誤解が御有りの様でして・・・。


 皆さんが仰る「薩摩汁」 とは、薩摩地鶏のブツ切りと野菜を味噌仕立てで煮込んだ鹿児島県を代表する郷土料理でを指して居られる様です。


 私の言う、「早妻汁」とは、焼いた魚の身を解して磨り潰したモノに味噌を加えて混ぜ合わせて、此れを魚の骨を煮出した汁で程好く溶き、此れに細かく刻んだ葱と、金平状に刻んで味付けした蒟蒻を加えて混ぜ合わせ、最後に細目に切った同じ魚の刺身を漬けにしたモノと擂り胡麻を混ぜ込んだ漁師料理の事です。

 此れを、酒の肴としたり、熱い御飯の上に掛けて食べたり致します。

 私の実家では、コノシロ(コハダ)やチヌ(黒鯛)を主に使って料理して居りましたが、鯛や鯵や鰯などを使う場合も在り、基本的には、どんな種類の魚を使っても作れます。

 広島に限らず、愛媛県 や北陸の漁師町にも、「薩摩汁」や「佐妻汁」と呼ばれる同様の料理が在ります。

 「早妻汁」の由来について、母から伝え聞いた話では、作り置きして置くと、早く妻が料理を出せるからだとの事でしたが、昔、鰯網漁から帰って来た男達が、「早妻汁」を肴に酒を飲み、炊き立ての飯に「早妻汁」をぶっ掛けて丼飯を掛け込んで居たのだそうで、忙しい漁師の生活の中から、生まれた、漁師町ならではの料理です。

 「薩摩汁」と書く由来は、薩摩の国(鹿児島県)から伝わった料理だからだそうで、「佐妻汁」と書く由来は、擂鉢で魚の身を磨り潰すには体力が必要な為、「夫が妻を佐けた」からで在ると言われて居ます。

 数人の方から、「レシピを教えてください。」との要望が在りましたし、誤解をされて居る方にも知っておいて戴きたいのですが、漁師料理故に、正確なレシピが在りません。

 元々、私は、料理を作る際、レシピと言うモノを当てにせず、何人前だったら、此れぐらいの魚の分量で、味噌を此のくらいと、醤油を此れぐらい入れて・・・と、言う風に、自分の経験と感覚に基づいた目分量で作ります。

 今、料理請負人として働いて居ります割烹料理店の店主(友人)に頼まれて、「早妻汁」を何回か作って、御客様にお出しし、大変な御好評を戴きました。

 その時は、私が適当な目分量で取った食材の分量を、その都度、若いのが計量して、正式なレシピを作りました。

 私が作った料理とは言え、最早、それは店のレシピですので、御教え出来ませんので、私が部屋で作りながら計量して、レシピらしきモノを作りましたので、参考になさってください。


★ ★ ★ 早妻汁のレシピ ★ ★ ★

★ 材 料 ★

 鯵 (100g)・・・・10尾

 葱 (100g)・・・・1束

 紫蘇の葉 ( 大葉 ) ・・1束

 蒟蒻 (金平用)・・・・1袋

 赤味噌・・・・・・・・70g

 白味噌・・・・・・・・100g

 炒り胡麻・・・・・・・大匙2杯程度

 醤油 ( 漬けダレ用 )・・75cc

 味醂 ( 漬けダレ用 )・・50cc

 酒 ( 漬けダレ用 ) ・・ 50cc

 七味 ( 漬けダレ用 ) ・適量



 以上が、主な食材に成りますが、あくまでも好みの問題ですので、此れを参考にして、各家庭で、嗜好に合ったレシピを御考えください。



★ ★ ★ 料理の手順 ★ ★ ★


 此処からは、写真を参照して戴きながら、私が作った手順に沿って紹介して行きます。

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 小鯵は、10尾仕入れましたが、その内の4尾を、お魚屋さんで三枚に下ろして戴きました。

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 小鯵4尾は、買い物に行ったスパーク御幸の杜店 の、お魚屋さんで、三枚に下ろして戴き、皮も剥いて戴き、皮も内臓以外の粗も持ち帰りました。

 骨抜きで、小骨を丁寧に取り除き、酒の肴にされる場合は、刺身程度の大きさに切り、御飯に掛けて食べる場合は、少し細目に切って、レシピの漬け汁に、1~2時間ほど浸してください。

 漬け汁には、適量の葱や七味の他に、レシピには掲載して居ませんが、適量の大葉・柚子皮・玉葱を細切りにしていれて居ります。

 漬け終えたら汁を切って、別容器に取りますが、汁は、後で蒟蒻を煮るのに使いますので、捨てずにとっておいてください。

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 鯵を焼いて行きますが、余り焦がし過ぎると、苦みが出過ぎ、色も黒っぽく成りますので、軽く焦げ目が着く程度に焼いて下さい。

 魚が大きくて生焼けが心配される場合は、適当な処で焼き網から下ろし、電子レンジで加熱してください。・・・昔は、生焼けが在る場合は、窯で蒸し直して居りました。

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 魚を焼き終えたら、身を剥きますが、冷めてから作業をされる方が簡単です。

 少々の小骨が残るのは、磨り潰すので問題在りませんが、太い骨や、特に、鯛や鯵等の、背びれ等の根元に在る縁側の骨は、堅く鋭いので、注意してください。

 とは言いましても、子供さんが、此れを切っ掛けに、魚嫌いに成られてもいけませんし、小骨の苦手な藤本さんの御主人の様な方も居られますので、かなり手間の掛かる作業ですが、出来るだけ小骨も取り除かれる事を御奨め致します。

 小鯵6尾から、約250gの剥き身が取れました。

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 私は、早妻汁などを作る時は、擂鉢を使います。

 フードプロセッサーなどを使うと、細かく成り過ぎてペースト状に成り、触感や風味に欠けますので、フードプロセッサーなどを使う場合は、それを考慮して時間を調整なさってください。

 魚の皮も使いますが、磨り潰しにくいので、包丁で刻んでから入れてください。

 あくまでも好みの問題ですが、磨り潰し過ぎると好くありませんので、オカラ位のポソポソした感じに成れば十分ですし、逆に、押えて潰したくらいの、ボロボロしたモノも味わい深く、私は好きです。

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 今回は、上の写真の2種類の味噌を使いましたが、私が思いますに、いつも味噌汁に使って居られる味噌を使われるのが、味に馴染みが在って宜しいのではないかと思います。

 甘味が欲しい場合は、白味噌を使い、更に甘味を求めるなら、白味噌の比率を増やしてください。

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  魚を磨り潰し終えたら、味噌を加えて混ぜますが、後で、ドンドン混ぜ合わせますので、この段階では、全体に行き渡る程度に混ぜれば十分です。

 辛すぎて仕舞う場合も御座いますので、後で幾らでも足せますから、この時点では、レシピの3分の2の量に留めて置いた方が無難だと思います。

 何度か自分で作ってみて、自分なりのレシピが確定するまでは、材料を足して行く毎に、味見をしながら作業を進め、薄いと感じても味噌は足さないでください。

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 この時点で、擂鉢の隅に炒り胡麻を入れて軽く磨り潰して、全体に行き渡る程度に軽く混ぜ合わせます。

 好みも在りますので、量は自分で調整し、嫌いなら入れなくても構いません。

 黒胡麻を使うと風味が在って良いのですが、色がドス黒く成りますので、他人様に御裾分けしたりする場合には、御勧め致しません。

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 今回は、手間を省く為に、上の写真の蒟蒻を使いましたが、好みの物を、好みの大きさに切って使われれば良いのですが、御飯に掛けて食べる場合は、細切りの方が良いと思います。

 此の商品は、少し長いので、笊に取って軽く水洗いした後、3cm程度に切り揃え、取っておいた漬け汁で、沸騰してから3分程煮込み、鍋の中で冷ましておき、笊に取って軽く汁気を切ってから擂鉢に入れて、菜箸で万遍無く掻き混ぜました。

 蒟蒻を混ぜ込んで居る写真を撮りましたが、保存するのを忘れて居て、掲載出来ません。・・・何分、不慣れなモノで済みません。

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 身を剥いた残りの骨は、水500ccで、沸騰してから3分ほど、灰汁を取りながら煮出します。

 私の「早妻汁」は、実家の料理を基にして居りますので、固いタイプの早妻汁なので、ゆる目の早妻汁にしたい場合は、1L程の水で煮出してください。

 煮出したら、網で濾して別容器で冷まします。・・・鍋に入れたまま冷ますと、魚の臭味が出ますので、必ず別容器で冷ましてください。

 よく冷ました汁を、蒟蒻を混ぜ合わせた後に少しずつ出し汁を足しながら、好みの固さに成るまで菜箸などを使って掻き混ぜて行きます。

 葱や漬けを入れた後は、強めに掻き混ぜない方が良いので、この時に、最終的な味を決めます。

 大匙1杯程度の、味見としては多めの量を口に含み、好く味わってから、「少し薄いかな?」と感じる程度に抑えておくのが無難です。

 出し汁を足しながら、混ぜ込んで居る写真を、セルフタイマーを使って撮りましたが、上手く撮れておらず掲載出来ません。・・・何分、不慣れで、独り住まいなので済みません。

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 私は、広島産の細目の葱を使いますが、細切りにしてあれば、白葱や根深、或いは、韮を使うのも好いでしょう。

 何よりも、好みの物を使われるのが一番です。

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 葱を投入しますが、此処からは、勢いよく混ぜますと、葱が潰れて仕舞って風味が損なわれますので、菜箸で優しく混ぜるか、シリコンプロクリーナー 等を使って丁寧に混ぜ合わせてください。


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 最後に、漬けを丁寧に混ぜ込むと完成です。

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 これで完成です。

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 熱い、炊き立ての御飯に掛けて食べました。
 
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 焼いた鯵の粗で、味噌汁も作りました。


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 編集の都合上、出来立てを、すぐに食べましたが、作ってから半日ほど経ってからの方が、味が馴染んで美味しいので、朝方に作って、夕食で食べるのが御奨めです。


 今日は、久し振りの完全休養日でしたから、今朝は、摩り下ろした生の山葵を乗せて、熱い出し汁を掛けて食べました。

 昨日食べた時よりも、味が馴染んで、随分と美味しく感じられました。


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 広島の島の景色


 早妻汁は、広島の漁師の家では、何処の家庭でも作られて居た郷土料理です。

 各家々で、特徴が在り、私の実家の様に、汁とは呼び難い、固目のオジヤくらいのモノから、タイ風カレーの様にシャボシャボのモノまで様々でした。

 私の実家の早妻汁が固いタイプだった理由は明白で、漁師仲間の間でも、酒豪として知られて居た父が、酒の肴として好んで作って居たからでした。

 その為、実家では、漬けの切り身の大きさも刺身サイズで、比率も、漬けが2対1くらいの割合で、沢山入った早妻汁でした。

 食材の魚は、主に コノシロ ( コハダ ) を用いる事が多かった為、小骨が多く、この料理法が発達したのだと思われます。

 割烹で作った早妻汁には、鯛を用いたモノと、チヌ(黒鯛)を用いたモノを作りました。

 鯛を用いたモノは、品の良い味と申しますか、十人向きする味で、チヌを用いたモノの方が、味にコクが有り、私には、より美味しく感じられましたが、それ以上に、コノシロを用いたモノの方が、小骨が多く、作る手間も掛かるのですが、子供の頃から食べて居りました味に、馴染みも在る所為も在るのでしょうが、独特の味が在り、皆さんにも、是非一度、作って召し上がって戴きたいと思います。

 実は、態々ブログにレシピを公開する為に、可也の手間と時間を掛けて「早妻汁」を作り、敢えてレシピを公開した理由は、其処に在ります・


 広島県の郷土料理と言うと、「牡蠣の土手鍋」を挙げられる方が多いと思いますが、今、牡蠣の土手鍋と呼ばれる料理は、本来の姿とは程遠く、私は、広島の郷土料理とは考えて居りません。

 三歩譲って、広島県の郷土料理としても、広島の牡蠣が本当に美味しい時期は、3月から4月の初め頃に掛けてで、年中在る訳では在りませんし、東日本大震災以降、不当に値が釣り上げられて、なかなか庶民の食卓に上る機会が少なく成って来ました。

 それに比べると、「早妻汁」は、旬の安価な魚を使って、一年中作る事が出来る料理です。

 一人でも多くの方に作って戴き、「おふくろの味」として伝えて下さればとの思いを込め、今は滅多に見掛ける事の出来なく成った、「あずま」 と共に、「早妻汁」が、広島を代表する郷土料理の一つとして、復権を果たせる日が来る事を願って、普段は自宅で滅多に料理を作らない私ですが、今回は凄く頑張りました。


 もう暫く致しますと、コノシロが産卵期に入り、安価で質の良い物が出回る様に成りますが、昔は、広島の庶民の食卓に上る代表的な魚でしたが、小骨が多く敬遠され、人気の無い魚に成って仕舞って居る事を、とても残念に感じて居ります。


 この時期には、子供の頃、獲れたばかりの、未だ身がピクピク動いて居るコノシロを、父が三枚に下ろして漬けを作り、軒先に七輪を出してコノシロを焼き、私も身を剥く作業を手伝ったり、デンギ ( すりこぎ棒の広島弁 ) カカツ ( 擂鉢の広島弁 ) で剥き身を摩り下ろすのを手伝って、「早妻汁」を大量に作って、近所や親戚の家に御裾分けして居りました。

 
 『やっぱり、あの味にゃぁかなやぁせんよぉのぉ。』と思いながら、独り、部屋で、「早妻汁」の茶漬けを食べて居りました。・・・アジアの片隅より



編集後記 ・・・久し振りに、料理人が書いて居るブログらしい記事を掲載出来ましたが、この記事を何人の方が、最後まで読んでくださって、何人の方が、「早妻汁」 を実際に作り、何人の方が、 「お袋の味」 として伝えて行ってくださるかを思うと、ネガティブな予想しか浮かんで参りません・・・かなり手間の掛かる料理で、それが廃れて仕舞った最大の要因の様に思います・・・けれど、たった一人でも、そう為さってくださる方が居られたら、「世の幸い」 であると感謝致します・・・ アジアの片隅より


おきてがみ

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by asianokatasumiyor | 2015-02-15 18:07 | 料理のレシピ


 焙じ茶のかき氷



 ブログのプロフィール欄に、自慢出来る事として、「たぶん、日本初となる かき氷用ほうじ茶シロップ を 学生時代に考案した」と書きましたら、数人の方から、『レシピを教えて欲しい』と依頼が在りました。

 『私などに聞かなくても、濃い目の焙じ茶を作って、砂糖を多目に入れれば出来ますよ。』と、伝えたのですが、『どうしても!』と、仰るので、御教えする事にしたのですが、メールで伝えるのに、どの様に書いて良いモノか分かりません。

 私のレシピ帳をコピーして送るには、住所も存じ上げませんし、それを聞く事も憚られます。

 そこで、いつも拝読して居るブログに習って、レシピをブログに掲載する事に致しました。


 焙じ茶のシロップは、30年余り前、私が京都の駅弁大学に通っていた頃に考案したレシピです。

 但し、当時、私の知る限り、何処にも無かったと言うだけで、本当に日本初なのか否かは定かでは有りません。

 私の友人の実家が、「ちきりや」と申します、老舗和菓子店を営んで居ました。

 大そう釣り好きの親父さんで、私が漁師の息子と聞いて、釣りの話で盛り上がり、時折、両親が送って呉れる鮮魚が届いた折りに、親父さんに御裾分けしたり、親父さんに誘われて、鮎釣りの手解きを受けたりと、寧ろ、息子とよりも親しい間柄でした。

 料理好きの私が、『餡子の炊き方や和菓子の作り方を習いたい』と、お願いしますと、快く引き受けてくださいましたので、大学の講義と、ドライブインでのアルバイトが無い時に、無償で御手伝いをさせて戴いて居りました。

 「ちきりや」では、夏期に入ると店先で、かき氷を販売しており、私は親父さんから、バイト料の代わりに、自由にかき氷を食べて良い許可を頂いて居りましたので、かき氷好きの私にとって、バイト料に勝るまかないで、手伝いに行った日は、和菓子作りの手解きを受ける合間を見付けては、かき氷三昧の一日を過ごして居りました。

 元々、濃い目の焙じ茶に、砂糖を溶かして、それを冷たく冷やして飲むのが、私の夏の定番だったのですが、ふと思い付いて、此れをかき氷にかけて食べた処、実に美味しく、親父さんに試食して戴いた処、

 『いやぁぁ、実に美味しいおすなぁ…よぉ気が付きはりましたなぁ!』と、お褒めの言葉を頂きました。

 此れに気を好くした私は、レシピに改良を加えて、ドライブインのオーナーに試食して戴き、即決で店のメニューに採用されたのでした。

 「利休の焙じ茶」と名付けられた、焙じ茶のかき氷は、その夏、ドライブインの喫茶部の大ヒットメニューと成り、オーナーから3万円の賞与を頂いたのでした。

 私には、自分で考案したすべてのメニューに、それをイメージした独特の名前を付ける習慣が在りまして、「賢治のホタテスープ」とか、「ローランサンの薄荷水」とか、「マリラの苺水」とか、色々在りまして、他の料理人から、『顔に似合わずロマンチスト過ぎる』と、新作を考案する度に笑い者にされるのでした。

 店で働いて居る間に考案したレシピは、譬えアルバイトと言えども、店の財産でで有り、他に漏らさないのが、「料理人の掟」 ですが、恩人で在るオーナーは、随分前に亡くなられ、それを期に廃業されましたので、求めに応えてレシピを公開いたします。(それほど大そうな代物でも在りませんし…)


・・・・・ 焙じ茶のシロップ ・・・・・


  ~ 食材 ~

       焙じ茶 (40~100g)

     水飴 (250g程度)

     砂糖 (400g程度)

     塩 (2g程度)

     水 (1ℓ程度)



 
・・・・・・食材への拘り・・・・・



☆ 焙じ茶 (40~100g)と、かなり曖昧な分量になっています。

 此れは、好みに由って分量を調整すると言う事も有りますが、焙じ茶の種類に由って、同じ分量で在っても、抽出される茶の、香りや濃さや味に、大きな差が生じるからです。

 私は、加賀棒茶を使います。

 加賀棒茶は、焙煎の度合いが浅いため、香りが甘く柔らかですが、一般的な焙じ茶に比べ、渋みがやや強いという特徴が有り、少量でも風味が強く濃い茶を抽出する事が出来ます。

 焙じ茶には、使用する部位や生産される地方や製法に依って、焙じ番茶・京番茶・雁ヶ音焙じ茶・焙じ煎茶などが在りますが、何れが優れていると言う事は無く、全て好みの問題で、各々の嗜好に合った物を選んでください。

 試作品として、最高級の焙じ煎茶を使用して、焙じ茶のシロップを作った事も御座いますが、確かに香りも風味も別物のシロップが出来はしましたが、あくまでも好みの違いであり、50グラムが1万円近くもする焙じ煎茶を使ったシロップを、一杯300円のかき氷にかけて出したのでは採算が合いませんし、『これは、焙じ茶として、飲むべき物であって、シロップに使用する事は、大変な手間と、熟練の技で、焙じ煎茶を作られた職人の方々に失礼だ。』と、感じました。

 尚、私のレシピは、加賀棒茶40gを基準として居りますので、予め考慮してください。

☆ 水飴は、シロップに適度の粘り気を持たせ、甘味よりも、口に含んだ時の、風味や触感を得る為に使用します。

 私は、金沢の老舗である俵屋 の じろ飴を使いますが、スーパーで売られている商品で十分だと思います。

 量が多いと粘り気が強くなり、かき氷にかけた時に染み込み難く、シロップの味をより強く感じ、少ないと氷に染み込んでスッキリした触感になります。・・・使用しない物も、あっさりした触感が在り、私は好きです。


☆砂糖は、通常、グラニュー糖を使っていますが、上白糖でも構いません。

 試作品として、黒糖や和三盆糖を使った事も在りますが、独特の風味が出て良いのですが、シロップが濁りますので、見た目に難が在り、業務用としては不向きでした。

 味としては、とても魅力が在って良いので、興味が在れば試してみてください。

 グラニュー糖を使うと、スッキリした味になりますが、グラニュー糖には、低温になると、甘味を感じ難くなる性質が在ります。

 上白糖を使うと、まったりとした味になり、低温でも甘味を感じ易いので、それを考慮して、量を調整してください。

 この様に、食材の特徴や性質を知り、使い分ける事は、自分の狙い通りに料理を作る上で、とても重要です。


☆塩は、たったの2gとなっていますが、とても重要です。

 私は、料理に携わる中で、塩こそが、あらゆる調味料の中の王であると考えて居ります。

 1g 違うだけで、味の印象に大きな違いが生じますので、好みに由って調整される場合の扱いは、呉々も慎重に願います。

 一般の方が、拘る必要は無いと思いますが、私は、百姓の塩を使って居りまして、昔ながらの製法と情熱で作られた塩 で、流石に、余程の味覚と経験が無ければ、シロップに2g使う程度で違いを感じる事は出来ませんが、饂飩の出し汁や、漬物や煮物などに使いますと、風味に差が出るのでした。


☆水は、1ℓ と在りますが、全部は使いません。

 ミネラルウォーターか井戸水でしたら、そのままで構いませんが、水道水の場合は、5分程沸騰させて使用してください。


☆以上が食材に成ります。


 

 ・・・・・~ 調理器具 ~・・・・・


    焙烙 ( ほうろく ) 無ければ フライパ

    鍋☆ステンレス製の中型ボール

    大型のストレーナーまたは金属製の笊

    茶漉し☆大型のロート

    キッチンスケール・計量計 ( 1g単位で計測出来る製品、0.1g 単位なら尚好い )

    メジャーカップ ( 耐熱性のメジャーカップ ) 1ℓ 以上の容量のある製品 耐熱性でなくて可

    茶匙

    泡立て器

    口広の蓋の付いたガラス容器



  ~ 準備 ~


先ずは、手を丁寧に洗ってください。

 専用のブラシを使って、爪の隙間の汚れを落とし、指と指の間も丁寧に洗い、手の平だけでなく、肘の辺りまで洗ってください。

 料理に取り掛かる際は、その都度、能く乾かした清潔な専用のタオルを準備して、腰などに下げるか、すぐに拭ける様に、調理をする動線上の、一番手の届き易い所に掛けてください。

 割烹着やエプロンを身に着け、専用の帽子や三角巾で髪の毛を覆って、マスク迄しなさいとは申しませんが、調理中にクシャミや咳が出た際は、料理や食材や調理器具に、唾や息がかからない様に気を付けてください。

 調理の途中で、トイレに立ったり鼻をかんだりした後は、必ず、手を洗い直してください。

 身支度を整えて、調理に臨む事は、桂剥きを早く薄く出来るとか、誰からも美味しいと褒められるとか言った、料理の技術が向上する事以上に、大切な事だと、私は考えています。

 家の料理だからと言う訳でも無いのでしょうが、手もよく洗わず、適当な格好で料理をされるのを見るに付け、私は、とても切ない気持ちになります。

 私は、潔癖症では有りませんが、その様にした料理を頂きますと、確かに味としては良くても、より美味しくは感じません。

 「料理は見た目が大切と、よく申しますが、料理の出来栄えや盛り付けばかりで無く、こうした事も含まれている言葉だと思います。


 厨房 ( 台所 ) や 調理器具を清潔に保つ事は、料理に取り掛かる以前の問題で、清潔な厨房に立つと、自然に、身も心も引き締まります。


 
 曹洞宗の寺院の精進料理

 私には、料理に携わる上で、指針とする書物が在ります。

 「典座教訓・てんぞきょうくん」と申します。

 曹洞宗の開祖、道元禅師の手による、典座(禅寺の食事係)の心得や、具体的な調理方法や手順などを記した書物です。

 私が、3回生にに成ったばかりの頃、アルバイト先のオーナーが、「折角、うちで、真面目に頑張って呉れてるんやし、持っとっても荷には成らんさかいな。」と、仰って、調理師免許 を取りに行かせて戴いて、調理師の試験に合格致しました。

 調理師免許を取得する為には、調理師学校へ入学し、調理師の資格試験を受験するか、調理師免許を有する者の飲食店などで、2年以上、働いたという証明書を提出した上で、調理師の資格試験を受験する、二つの方法が在ります。

 その時、オーナーが簡素な合格祝いの席を設けて下さったのですが、その折に、いつも、実の弟の様に可愛がってくださっていた、料理長の善さんが、「えかったなぁ、お祝いの代わりや…これ、お前にやるさかい読んどきや!」 と、手渡して呉れたのが、「典座教訓」でした。


 「典座教訓」では、「喜心」「老心」「大心」の三つが重要で有るとして居り、「喜心」とは、相手の命の源となる食事を作らせて頂けることに感謝し、心から喜んで調理すする事です。

 「老心」とは、細やかな愛情を持って、全ての命や物を無駄にしない様にしながら、自己を忘れて相手に尽くす心で調理する事です。

 「大心」とは、相手の事を、相手の気持ちや立場になって考えながら、料理の作法も考慮して、偏りの無い冷静な心で料理する事です。


 典座の配膳の様子

 道元禅師は、南宋に留学したした時の二人の老典座との出会いにより、それまで、修行の妨げに成るとさえ考え、軽んじていた典座が、命を賭して修行する僧達の命を支え、修行を続けて行く為の活力を与える存在であり、典座自身も、その事に由って尊い修行をしている事に気付き、此れまでの自分の修行や学びが、間違っていた事を知るのです。

 この出会いが、曹洞宗の開祖となる礎となり、後に表した「典座教訓」は、日本の「食」を方向付ける大本と成りました。

 「食」を天職と感じて研鑽に励んで居られる若い方達ばかりでなく、奥様方にも、三ツ星店の料理長や、煌びやかな職業の方々が書かれた料理本を読む前に、780年程前から世に出て居りますので、熟読して戴きたいと願って居ります。



 古式に法って執り行われる四条流包丁式
 
 いつも忙しく家事を熟して呉れている母親が、普段着のままで料理を作ったからと言って、目くじらを立てて憤慨する家族は、滅多に居ないでしょうし、丁寧に手を洗わなかったからと言って、食中毒を起こす事も、滅多に在りません。

 我が国の古人は、食材の魚類や鳥類は、単なる生き物の死骸(穢れ)と捉え、その死骸を食べ物に変換させる清めの儀式として、包丁式が定められました。

 神に捧げる供物を、右手の包丁と左手の真箸(まなばし)のみを用いて、鯉や鯛、鰹、鮒などの素材に一切手を触れる事なく捌(さば)きます。

 日本人の衛生観念は、道元禅師が宋より精進料理を伝える遥か古より確立されていた様です。


 だからと言う訳では無く、食べくれる相手が、美味しいと笑顔で喜んでくれる姿を思い浮かべながら、心を込めて料理を作ろうとするなら、自ずと、身を清め、身形を整えようとするのではないでしょうか。

 私は、料理に携わる時、此の、相手を思う心が、一番大切なのだと考えて居りますし、その心を抱き続けてさえいれば、技術も向上し、きっと相手に伝わって、心から幸せを感じさせる料理が生まれるのだと確信して居ります。

 

 またしても、余談が長くなりました・・・本筋に戻ります。


☆焙烙が無い場合は、フライパンで十分ですが、付着している油分を落として、よく乾かしておいてください。


☆ガラス容器は、出来上がったシロップを入れますので、、洗って水気を切っておいてください。

 レシピ通りに作りますと、シロップは1ℓ 弱の量になりますが、大きな容器が無ければ小分けしてください。

 それを考慮して、必要な分量に調整してください。
 


 ・・・・・~ 作り方 ~・・・・・


鍋に、水500ccを入れて、沸騰したら中火にし、2分経ったら弱火にします。 

焙烙を使う場合は・・・焙烙をコンロにかけて、弱火で温めます。
 
・中心部分を指でつっっいて、触れないくらいの熱さになったら中火にします。

・1分くらい経ったら焙烙の上に、手の平を翳してみて、丁度良い頃合い(自分の感覚を信じろ!)になったら、焙じ茶葉を全部いれて、焼き飯を炒める要領で、軽く振りながら混ぜます。

フライパンを使う場合は・・・フライパンをコンロにかけて、中火で温めます。

・丁度良い頃合い(料理人のセンスでドンと行こう!)になったら、焙じ茶葉を全部いれて、焼き飯を炒める要領で、軽く振りながら混ぜます。

全体から薄っすらと煙が立ったら、火を止めて焙じ茶葉を鍋の中に素早く入れます。

ジュジュジュシュワァーッと、音がしたら大成功!…シューッだと少し浅いかも知れません。

すぐに火を止め、1分蒸らします。浅いと思ったら、1分半から2分蒸らしてください。

ストレーナー(金笊)を使って、焙じ茶を濾しながら、ボールに焙じ茶を移します。(一番出し)

・計量カップに、茶漉しとロートを使って焙じ茶を移します。

・耐熱容器でない場合は、粗熱を取ってから移してください。

・焙じ茶葉の種類に依って、水分を吸い込む量が違う為、出来上がる焙じ茶の量に差が出ます。

鍋に焙じ茶葉を全部戻し、水を入れて中火で煮出します。

・全体で、500ccを目指しますので、入れる水の量は、足らない分量に3割を増した量が目安になります。

中火にして沸騰したら、とろ火にして、10分~20分ほど煮出します。

・頃合いを見て火を止め、冷めるまで放置します。

ストレーナー(金笊)を使って、焙じ茶を濾しながら、ボールに焙じ茶を移します。(二番出し)

・計量カップに、茶漉しとロートを使って、500ccになるまで焙じ茶を移しします。

焙じ茶500ccを鍋に入れ、中火にして沸騰したら、とろ火にして、水飴を茶匙を使って容器から掻き出して鍋に入れ、泡立て器で泡を立てない様にゆっくりと混ぜ、溶け切ったら砂糖を少しずつ足して行き、溶け切ってから塩を入れて中火にし、沸騰したら火を止めます。

粗熱が取れたらロートを使ってガラス容器に移して出来上がりです。

(注) 冷めてからだと、粘度が強いため入れ難いので、少し熱い内に行ってください。



何度か、材料を変えたり、分量の配合を試してみて、自分の好みの味を探してください。

かき氷だけでなく、パンやパンケーキに塗って食べたり、お湯に溶かして飲んだり、此れに、レモンや柚子の果汁を入れて飲むのも美味しいです。夏場に、これを冷やして飲むのも美味しいです。

常温でも1ヶ月以上もちます。



 私がアルバイトをしていたドライブインで、「利休の焙じ茶」が大ヒットした為、次のシーズンには、京都や大阪で、「焙じ茶のかき氷」として模倣する店が激増しましたが、パッチモンの街とは言え、「利休の焙じ茶」として出している店は在りませんでした。

 そうやって、「焙じ茶」のシロップが、彼方此方に広まって行った様でした。

 「利休の焙じ茶の評判を聞き付けて、神戸や名古屋あたりからも、わざわざ食べに来てくださる御客様も多く居られ、御家族で来られて、楽しそうに召し上がる光景を見て、自分を誇らしく感じ、料理を作る喜びを知った、20歳の夏でした。・・・ アジアの片隅より


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by asianokatasumiyor | 2014-12-24 21:47 | 料理のレシピ